1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547
|
.\" This file documents the GNU utilities for finding files that match
.\" certain criteria and performing various operations on them.
.\"
.\" Copyright (C) 1994 Free Software Foundation, Inc.
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.\" Updated and modified (findutils-4.4.2) Fri Jan 28 12:28:44 JST 2011
.\" by Chonan Yoichi <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
.\"
.\"WORD end of file string ファイル終端文字列
.\"
.TH XARGS 1 \" -*- nroff -*-
.SH 名前
xargs \- 標準入力を読み込んでコマンドラインを作成し、それを実行する
.SH 書式
.B xargs
.nh
[\fB\-0prtx\fR]
[\fB\-E \fIeof-str\fR]
[\fB\-e\fR[\fIeof-str\fR]]
[\fB\-\-eof\fR[=\fIeof-str\fR]]
[\fB\-\-null\fR]
[\fB\-d \fIdelimiter\fR]
[\fB\-\-delimiter \fIdelimiter\fR]
[\fB\-I \fIreplace-str\fR]
[\fB\-i\fR[\fIreplace-str\fR]]
[\fB\-\-replace\fR[=\fIreplace-str\fR]]
[\fB\-l\fR[\fImax-lines\fR]]
[\fB\-L \fImax-lines\fR]
[\fB\-\-max\-lines\fR[=\fImax-lines\fR]]
[\fB\-n \fImax-args\fR]
[\fB\-\-max\-args\fR=\fImax-args\fR]
[\fB\-s \fImax-chars\fR]
[\fB\-\-max\-chars\fR=\fImax-chars\fR]
[\fB\-P \fImax-procs\fR]
[\fB\-\-max\-procs\fR=\fImax-procs\fR]
[\fB\-\-interactive\fR]
[\fB\-\-verbose\fR]
[\fB\-\-exit\fR]
[\fB\-\-no\-run\-if\-empty\fR]
[\fB\-\-arg\-file\fR=\fIfile\fR]
[\fB\-\-show\-limits\fR]
[\fB\-\-version\fR]
[\fB\-\-help\fR]
[\fIcommand\fR [\fIinitial-arguments\fR]]
.hy
.SH 説明
このマニュアルページは GNU 版
.B xargs
の使用法を説明している。
.B xargs
は、標準入力から空白や改行で区切られた一連の項目を読み込み
(空白はダブルクォート、シングルクォート、バックスラッシュによって
保護できる)、それを引き数にして、指定した
.I command
を実行する (デフォルトのコマンドは
.I /bin/echo
である)。
このとき、ユーザが
.I command
に対して指定した引き数 (上記書式の
.IR initial-arguments )
があれば、
.B xargs
は標準入力から読み込んだ一連の項目をその後ろに
追加していく (訳注: 作成されたコマンドラインが、コマンドライン長の上限を
越える場合や、オプションによる特別な指定がある場合は、入力を適宜分割して、
.I command
を複数回実行することになる)。標準入力における空行は無視する。
.P
Unix ではファイル名に空白や改行を含むことが可能なので、この
デフォルトの動作は、しばしば問題を引き起こす。空白や改行を含む
ファイル名は、
.B xargs
によって適切に処理されないからだ。そうした状況では、
.B \-0
オプションを使用した方がよい。そうすれば、その手の問題を回避することができる。
なお、
.B \-0
オプションを使う場合は、
.B xargs
の入力を生成するプログラムの方も、区切りの記号として必ずヌル文字を
使うようにする必要がある。たとえば、そのプログラムが GNU
.B find
ならば、
.B \-print0
オプションでそれが可能だ。
.P
指定したコマンドの実行が終了ステータス 255 で終了することがあれば、
.B xargs
は即座に停止して、それ以上入力を読み込まない。また、このとき、
エラーメッセージを標準エラーに表示する。
.SH オプション
.TP
.PD 0
.BI "\-\-arg\-file=" file
.TP
.PD 0
.BI "\-a " file
一連の項目を標準入力からではなく、
.I file
から読み込む。なお、デフォルトでは、指定したコマンドを実行する際に、
標準入力が
.I /dev/null
に付け換えられるが、このオプションを使用した場合は、
標準入力の付け換えが起こらない
(訳注: 別の言い方をすると、指定したコマンドの実行中、デフォルトでは
標準入力が使えなくなるが、このオプションを指定した場合は、
標準入力が使えるということである)。
.TP
.PD 0
.B \-\-null
.TP
.PD
.B \-0
入力される一連の項目が、ホワイトスペース (空白や改行) ではなく、
ヌル文字によって区切られる。また、引用符やバックスラッシュが
特別な意味を持たなくなる (すなわち、あらゆる文字が文字通りに解釈される)。
後述のファイル終端文字列も無効になり、他の引き数と同じように扱われる。
このオプションは、入力される項目にホワイトスペース、引用符、
バックスラッシュなどが含まれる可能性がある場合に、役に立つ。
GNU
.B find
の
.B \-print0
オプションが生成する出力は、このモードに対応した入力になる。
.TP
.PD 0
.BI "\-\-delimiter=" delim
.TP
.PD
.BI \-d " delim"
入力される一連の項目が、指定された文字によって区切られる。引用符や
バックスラッシュは特別な意味を持たない。すなわち、入力中の
あらゆる文字が文字通りに解釈される。ファイル終端文字列も無効になり、
他の引き数と同じように扱われる。入力が、項目を区切るのが改行のみ
であるような単純な構成の場合なら、このオプションを利用してもよいが、
ほとんどたいていの場合、なるべくなら、
.B xargs
の
.B \-\-null
を使うように、出力側のプログラムを設計する方が望ましい。
指定する区切り記号は、単一の文字でもよく、
.B \en
のような C 言語式のエスケープした文字でも、8 進数や 16 進数の
エスケープコードでもよい。8 進数や 16 進数のエスケープコードは、
.B printf
コマンドの場合と同様に解釈される。マルチバイト文字には対応していない。
.TP
.BI \-E " eof-str"
\fIeof-str\fR をファイル終端文字列として設定する。ファイル終端文字列が
入力行の中に現れると、それ以後の入力は無視される。
.B \-E
も
.B \-e
も指定しない場合、ファイル終端文字列は使用されない。
.TP
.PD 0
.BR "\-\-eof" [\fI=eof-str\fR]
.TP
.PD
.BR \-e [ \fIeof-str\fR]
このオプションは
.B \-E
オプションの同義語である。
.B \-E
の方を使ってほしい。理由は、そちらが POSIX に準拠しているのに対して、
こちらは準拠していないからだ。\fIeof-str\fR の部分が省略されると、
ファイル終端文字列が存在しないことになる。
.B \-E
も
.B \-e
も指定しない場合、ファイル終端文字列は使用されない。
.TP
.B "\-\-help"
.B xargs
のオプションについて簡単に説明し終了する。
.TP
.BI \-I " replace-str"
.B xargs
が実行するコマンドにに対してユーザが引き数 (すなわち
\fIinitial\-arguments\fR) を指定したとき、その \fIinitial\-arguments\fR
中にある \fIreplace-str\fR の部分すべてを、標準入力から読み込んだ名前で
置き換える。
なお、空白は、クォートされていない場合も、入力される項目の区切りには
ならない。区切り記号は改行文字だけになるのだ。
.B \-x
と
.BR \-L " 1"
が自動的に設定される。
.TP
.PD 0
.BR "\-\-replace" [\fI=replace-str\fR]
.TP
.PD
.BR \-i "[\fIreplace-str\fR]"
このオプションは、
.I replace-str
が指定されていれば、
.BI \-I replace-str
の同義語であり、指定されていなければ、
.BR \-I {}
の同義語である。このオプションは非推奨になっている。
.B \-I
を使った方がよい。
.TP
.BI \-L " max-lines"
1 コマンドラインにつき最大 \fImax-lines\fR 行の (空行ではない) 入力行を
使用する。入力行の行末に空白文字が付いていると、その行は
次の入力行に論理的に続いていることになる。自動的に
.B \-x
が指定される。
.TP
.PD 0
.BR \-\-max-lines "[=\fImax-lines\fR]"
.TP
.PD
.BR \-l "[\fImax-lines\fR]"
.B \-L
オプションの同義語である。
.B \-L
とは違って、
.I max-lines
という引き数を指定するかどうかは任意である。引き数
.I max-lines
を指定しなかった場合は、デフォルトの 1 が使用される。
POSIX 標準では
.B \-L
の方を使うことになっているので、
.B \-l
オプションの使用はお勧めできない。
.TP
.PD 0
.BR "\-\-max\-args" =\fImax-args\fR
.TP
.PD
.BI \-n " max-args"
1 コマンドラインにつき最大 \fImax-args\fR 個の引き数を使用する。
作成されたコマンドラインが、コマンドライン長の上限を
超過する場合は
.RB ( \-s
オプション参照)、
.I max-args
より少ない引き数が使用されることになる。ただし、
.B \-x
オプションが指定されているときは別で、その場合は
.B xargs
が終了する。
.TP
.PD 0
.B \-\-interactive
.TP
.PD
.B \-p
コマンドライン一行ごとに、実行するかどうかをユーザに尋ねるプロンプトを出し、
端末から一行読み込む。コマンドラインを実行するのは、返答が `y' または `Y' で
始まるときだけである。自動的に
.BR -t
が指定される。
.TP
.PD 0
.B \-\-no\-run\-if\-empty
.TP
.PD
.B \-r
標準入力に空白しか含まれていない場合は、指定したコマンドを実行しない。
通常では、入力が全くない場合でも、コマンドが一回は実行されるのだ。
このオプションは GNU の拡張である。
.TP
.PD 0
.BR \-\-max\-chars "=\fImax-chars\fR"
.TP
.PD
.BI \-s " max-chars"
1 コマンドラインにつき最大 \fImax-chars\fR の文字を使用する。
この文字数には、指定したコマンドと \fIinitial\-arguments\fR、それに
各引き数文字列の終端を示すヌル文字も含まれる。指定できる値の上限は
システム次第であり、exec に対する引き数の最大長から、
現在の環境のサイズと 2048 バイトの余裕領域を引いたものである。
もしその値が 128KiB 以上だったときは、デフォルトの値として 128KiB が
使用される。128KiB 未満だったときは、算出された上限がデフォルトの値になる。
1KiB は 1024 バイトである。
.TP
.PD 0
.B \-\-verbose
.TP
.PD
.B \-t
実行する前に、コマンドラインを標準エラー出力に表示する。
.TP
.B "\-\-version"
.B xargs
のバージョン番号を表示して、終了する。
.TP
.B "\-\-show\\-limits"
コマンドライン長の上限を表示する。コマンドライン長の上限は、
オペレーティングシステム、
.B xargs
が設定したバッファサイズ、
.B \-s
オプションによって決まる。
.B xargs
にコマンドライン長の上限の表示以外をさせたくなかったら、
入力を
.I /dev/null
からパイプで
.B xargs
に渡すとよい (さらに
.B --no-run-if-empty
を指定した方がよいかもしれない)。
.TP
.PD 0
.B \-\-exit
.TP
.PD
.B \-x
作成されたコマンドラインがコマンドライン長の上限を超過していたら
.RB ( \-s
オプションを参照)、終了する。
.TP
.PD 0
.BR \-\-max\-procs "=\fImax-procs\fR"
.TP
.PD
.BI \-P " max-procs"
同時に最多で
.I max-procs
プロセスまで指定したコマンドを実行する。デフォルトは 1 である。もし
.I max-procs
が 0 だと、
.B xargs
はできるだけ多くのプロセスを同時に実行しようとする。
.B \-P
と一緒に
.B \-n
オプションを使うとよい。さもないと、exec がたった一回しか
行われないかもしれない。
.SH "用例"
.nf
.B find /tmp \-name core \-type f \-print | xargs /bin/rm \-f
.fi
.B /tmp
ディレクトリ以下に
.B core
という名前のファイルを捜して、それを消去する。改行や空白を含む
ファイル名があると、正しく動作しないので、注意すること。
.P
.B find /tmp \-name core \-type f \-print0 | xargs \-0 /bin/rm \-f
.fi
.B /tmp
ディレクトリ以下に
.B core
という名前のファイルを捜して、それを消去する。ファイル名の処理に
当たっては、ファイルやディレクトリの名前に空白や改行が含まれていても、
適切に扱われるようにする。
.P
.B find /tmp \-depth \-name core \-type f \-delete
.fi
.B /tmp
ディレクトリ以下に
.B core
という名前のファイルを捜して、それを消去する。上の例よりも
こちらの方が効率的である (なぜなら、
.B rm
を実行するために
.BR fork (2)
と
.BR exec (2)
を使わないですむし、そもそも、
.B xargs
のプロセスを必要としないから)。
.P
.nf
.B cut \-d: \-f1 < /etc/passwd | sort | xargs echo
.fi
システムの全ユーザを列挙した簡潔なリストを生成する (訳注: 要するに、
改行ではなく、空白で区切られたユーザ名のリストを作るということ)。
.P
.nf
.B xargs sh -c 'emacs \(dq$@\(dq < /dev/tty' emacs
.fi
.B xargs
の標準入力からファイルのリストを受け取り、Emacs を必要なだけ次々と
立ち上げて、それを編集する。この例は BSD の
.B -o
オプションと同じことを実現するが、こちらの方が柔軟性があり、
多くのシステムで利用できる。
.SH "終了ステータス"
.B xargs
の終了ステータスは以下のとおりである。
.P
.nf
0 成功した。
123 指定したコマンドの実行が 1-125 のステータスで終了した。
124 指定したコマンドが 255 のステータスで終了した。
125 指定したコマンドがシグナルによって kill された。
126 指定したコマンドが実行できない。
127 指定したコマンドが見つからない。
1 上記以外のエラーが起きた。
.fi
.P
128 以上の終了ステータスは、致命的なシグナルのせいでプログラムが
止まったことを示すために、シェルが使用している。
.SH "標準への準拠"
GNU xargs version 4.2.9 以来、ファイルの論理的な終端を示す指標
(a logical end-of-file marker) を持たないのが、
.B xargs
のデフォルトになっている。このことは POSIX (IEEE Std 1003.1,
2004 Edition) で認められている。
.P
\-l や \-i オプションは 1997 年版の POSIX 標準には存在するが、
2004 年版の POSIX 標準には存在しない。従って、それぞれ
\-L や \-I の方を使うべきである。
.P
POSIX 標準は、実装に当たって、
.B exec
関数に対する引き数のサイズに上限を設けることを認めている。
そして、その上限は、環境のサイズも含めて、少なくとも 4096 バイトあれば
よいことになっている。移植性のあるスクリプトを書こうと思ったら、
これより大きいサイズを当てにしてはいけない。もっとも、実際の上限が
そんなに小さい実装など、筆者としては見たことも聞いたこともないけれど。
.B \-\-show\-limits
オプションを使えば、使用中のシステムで有効な実際の上限を知ることができる。
.SH "関連項目"
\fBfind\fP(1), \fBlocate\fP(1), \fBlocatedb\fP(5), \fBupdatedb\fP(1),
\fBfork\fP(2), \fBexecvp\fP(3),
\fBFinding Files\fP (on-line in Info, or printed)
.SH "バグ"
.B \-L
オプションと
.B \-I
オプションを組み合わせても、うまく行かない。組み合わせて使えた方が
よいのかもしれないが。
.IP "[訳注]:" 8
.B -I
オプションの説明にあるように、
.BI \-I " replace-str"
を指定すると、
.BR \-L " 1"
が自動的に設定される。ここで言っているのは、現状では
.BR \-L " 2"
や
.BR \-L " 3"
を
.B \-I
と一緒に使っても、期待する効果を得られないということである。
.P
.B xargs
を安全に使うことは不可能である。なぜなら、入力されるファイル名の
リストを生成する時間と
.B xargs
が実行するコマンドがそれを使用する時間との間には、必ず時間差が
あるからだ。もし、他のユーザがシステムにアクセスすることができれば、
そのユーザはこの隙間の時間にファイルシステムを操作して、
.B xargs
が実行するコマンドの動作を、こちらが意図していないファイルに
無理矢理向けることができる。この問題や、これに関連する問題については、
findutils に含まれる Texinfo 文書の「Security Considerations」という章で
もっと細かく論じているので、そちらを参照していただきたい。
なお、
.B find
の
.B \-execdir
オプションは、より安全な方法として
.B xargs
の代わりに使用できることが多い。
.B \-I
オプションを使うと、標準入力から読み込まれた各行は内部的にバッファされる。
これは、
.B \-I
オプションを付けて使ったとき、
.B xargs
が受け付ける入力行一行の長さに上限があるということだ。
この制限を回避するためには、
.B \-s
オプションを使って、
.B xargs
が使用するバッファ空間のサイズを増やしてやればよい。さらに、
.B xargs
をもう一つ実行すれば、
長すぎる行の出現を確実に避けることができる。
たとえば、
.P
.B somecommand | xargs \-s 50000 echo | xargs \-I '{}' \-s 100000 rm '{}'
.P
この例では、
.B xargs
の最初の実行には、入力行の長さの上限がない。
.B \-I
オプションを使っていないからである。
.B xargs
の二番目の実行には、そうした上限があるが、処理できる以上の長さの行に
絶対に出会わないようになっている。これが理想的な解決法だ
というのではない。むしろ、
.B \-I
オプションによって入力行の長さに上限ができない方がよいのであり、
だからこそ、この問題を「バグ」セクションで論じているのである。
なお、この問題は
.BR find (1)
の出力では起きない。
.B find
は 1 行に 1 ファイル名しか出力しないからだ。
.P
バグ報告の最善の方法は、
http://savannah.gnu.org/bugs/?group=findutils
にある書式を使用することだ。そうすれば、問題解決の進行状態を
追うことができるからである。\fBxargs\fP(1) や
findutils パッケージ全般についてのその他のご意見は、
.I bug\-findutils
メーリングリストにお出しになればよい。メーリングリストに参加するには、
.I bug\-findutils\-request@gnu.org
宛てに E メールを送っていただきたい。
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