File: backtrace.3

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manpages-ja 0.5.0.0.20210215%2Bdfsg-1
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.\" Translated 2007-10-16, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.66
.\"
.TH BACKTRACE 3 2008\-06\-14 GNU "Linux Programmer's Manual"
.SH 名前
backtrace, backtrace_symbols, backtrace_symbols_fd \- アプリケーション自身でのデバッグのサポート
.SH 書式
\fB#include <execinfo.h>\fP

\fBint backtrace(void\fP \fB**\fP\fIbuffer\fP\fB,\fP \fBint\fP \fIsize\fP\fB);\fP

\fBchar **backtrace_symbols(void *const\fP \fB*\fP\fIbuffer\fP\fB,\fP \fBint\fP
\fIsize\fP\fB);\fP

\fBvoid backtrace_symbols_fd(void *const\fP \fB*\fP\fIbuffer\fP\fB,\fP \fBint\fP
\fIsize\fP\fB,\fP \fBint\fP \fIfd\fP\fB);\fP
.SH 説明
\fBbacktrace\fP()  は、呼び出したプログラムのバックトレースを \fIbuffer\fP が指す配列に入れて返す。バックトレースは、プログラムで
現在動作中の関数呼び出しの並びである。 \fIbuffer\fP が指す配列の個々の要素は \fIvoid\ *\fP 型で、
対応するスタックフレームからのリターンアドレスである。 \fIsize\fP 引き数は \fIbuffer\fP に格納できるアドレスの最大個数を指定する。
バックトレースが \fIsize\fP より大きい場合、 \fIsize\fP 個の直近の関数呼び出しに対応するアドレスが返される。
完全なバックトレースを取得するためには、確実に \fIbuffer\fP と \fIsize\fP が十分大きくなるようにすること。

\fBbacktrace\fP()  によって \fIbuffer\fP にアドレスの集合が得られたら、 \fBbacktrace_symbols\fP()
によって、アドレス集合を、そのアドレスをシンボルで表した文字列の配列 に翻訳できる。 \fIsize\fP 引き数は \fIbuffer\fP
に格納されたアドレスの数を指定する。 個々のアドレスのシンボル表現は、関数名 (特定できた場合)、 関数へのオフセット
(16進表記)、実際のリターンアドレス (16進表記)  から構成される。 \fBbacktrace_symbols\fP()  の実行結果としては、
文字列ポインターの配列のアドレスが返される。 この配列は \fBbacktrace_symbols\fP()  によって \fBmalloc\fP(3)
され、呼び出し側で free しなければならない (ポインターの配列が指す個々の文字列は free する必要はないし、 free すべきでもない)。

\fBbacktrace_symbols_fd\fP()  は、 \fBbacktrace_symbols\fP()  と同じ引き数 \fIbuffer\fP と
\fIsize\fP をとるが、呼び出し側に文字列の配列を返す代わりに、 文字列をファイルディスクリプター \fIfd\fP に 1 行に 1
エントリーの形で書き込む。 \fBbacktrace_symbols_fd\fP()  は \fBmalloc\fP(3)  を呼び出さない。
そのため、これに続く関数が失敗する可能性がある状況でも利用できる。
.SH 返り値
\fBbacktrace\fP()  は \fIbuffer\fP に格納したアドレスの個数を返す。その個数は \fIsize\fP より大きくなることはない。 返り値が
\fIsize\fP より小さい場合、バックトレース全体が格納されている。返り値が \fIsize\fP
と等しい場合、バックトレースは切り詰められているかもしれない。 切り詰められた場合、最も古いスタックフレームのアドレスは 返されないことになる。

\fBbacktrace_symbols\fP()  は、成功すると、この呼び出しで \fBmalloc\fP(3)  された配列へのポインターを返す。
エラーの場合、 NULL を返す。
.SH バージョン
\fBbacktrace\fP(), \fBbacktrace_symbols\fP(), \fBbacktrace_symbols_fd\fP()  はバージョン
2.1 以降の glibc で提供されている。
.SH 準拠
これらの関数は GNU による拡張である。
.SH 注意
これらの関数は、関数のリターンアドレスがスタック上でどのように格納されるか に関してある仮定を置いている。 以下の点に注意。
.IP * 3
(\fBgcc\fP(1)  の 0 以外の最適化レベルで暗黙のうちに行われる)  フレームポインターの省略を行うと、これらの前提が崩れる可能性がある。
.IP *
インライン関数はスタックフレームを持たない。
.IP *
末尾呼び出しの最適化 (tail\-call optimization) を行うと、 あるスタックフレームが別のスタックフレームを置き換える可能性がある。
.PP
シンボル名は特別なリンカーオプションを使用しないと利用できない場合がある。 GNU リンカーを使用するシステムでは、 \fI\-rdynamic\fP
リンカーオプションを使う必要がある。 "static" な関数のシンボル名は公開されず、 バックトレースでは利用できない点に注意すること。
.SH 例
以下のプログラムは、 \fBbacktrace\fP()  と \fBbacktrace_symbols\fP()  の使用例を示したものである。
以下に示すシェルのセッションは、 このプログラムを動かした際の実行例である。
.nf
.in +4n

$\fB cc \-rdynamic prog.c \-o prog\fP
$\fB ./prog 3\fP
backtrace() returned 8 addresses
\&./prog(myfunc3+0x5c) [0x80487f0]
\&./prog [0x8048871]
\&./prog(myfunc+0x21) [0x8048894]
\&./prog(myfunc+0x1a) [0x804888d]
\&./prog(myfunc+0x1a) [0x804888d]
\&./prog(main+0x65) [0x80488fb]
\&/lib/libc.so.6(__libc_start_main+0xdc) [0xb7e38f9c]
\&./prog [0x8048711]
.in
.fi
.SS プログラムのソース
\&
.nf
#include <execinfo.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <unistd.h>

void
myfunc3(void)
{
    int j, nptrs;
#define SIZE 100
    void *buffer[100];
    char **strings;

    nptrs = backtrace(buffer, SIZE);
    printf("backtrace() returned %d addresses\en", nptrs);

    /* backtrace_symbols_fd(buffer, nptrs, STDOUT_FILENO) を
       呼び出しても、以下と同様の出力が得られる。 */

    strings = backtrace_symbols(buffer, nptrs);
    if (strings == NULL) {
        perror("backtrace_symbols");
        exit(EXIT_FAILURE);
    }

    for (j = 0; j < nptrs; j++)
        printf("%s\en", strings[j]);

    free(strings);
}

static void   /* "static" はシンボルを公開しないことを意味する */
myfunc2(void)
{
    myfunc3();
}

void
myfunc(int ncalls)
{
    if (ncalls > 1)
        myfunc(ncalls \- 1);
    else
        myfunc2();
}

int
main(int argc, char *argv[])
{
    if (argc != 2) {
        fprintf(stderr, "%s num\-calls\en", argv[0]);
        exit(EXIT_FAILURE);
    }

    myfunc(atoi(argv[1]));
    exit(EXIT_SUCCESS);
}
.fi
.SH 関連項目
\fBgcc\fP(1), \fBld\fP(1), \fBdlopen\fP(3), \fBmalloc\fP(3)
.SH この文書について
この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.79 の一部
である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。