1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254
|
.\" t
.\" $Id: autofs.5,v 1.8 2004/05/18 12:22:40 raven Exp $
.\"
.\" Japanese Version Copyright (c) 2005 Yuichi SATO
.\" all rights reserved.
.\" Translated Sun Jul 3 04:41:33 JST 2005
.\" by Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
.\"
.TH AUTOFS 5 "14 Jan 2000"
.SH 名前
autofs \- オートマウントシステムマップの書式
.SH 説明
オートマウントシステムマップは、オートマウントシステムのマスタマップ
.RB ( auto.master (5)
を参照) によって参照される
ファイルまたは NIS マップである。
オートマウントシステムマップは (auto.master ファイルで指定される)
マップのマウントポイント以下のファイルシステムがどのように
マウントされるかを記述する。
この man ページでは、
.B sun
マップの書式について記述している。
他のマップ書式 (例えば \fBhesiod\fP) が指定された場合、
この man ページは適用できない。
マップは即時に変更可能で、オートマウントシステムはそのマップに対して
次の操作が行われたときに変更を認識できる。
これは
.B auto.master
マップについては当てはまらない。
.SH 書式
これはテキストファイルの書式の説明である。
これらのファイルを指定する別の方法もある。
空行と # で始まる行は全て無視される。
マップ内の 1 行の基本的な書式は、以下の通りである:
.P
.BI "key [" -options "] location"
.SS key
間接マウントの場合、これはマウントポイントと
マウントされているファイルシステム内にあるパスとの間のパス名の一部分である。
このキーは通常はマウントポイント以下のサブディレクトリ名と考えることができる。
直接マウントの場合、これはマウントポイントの完全なパスである。
このマップはマスタマップにおける /- というマウントポイントと
常に関連づけられている。
.SS options
options は存在してもしなくてもよい。
options は
.B auto.master
ファイルでも指定することができる。
両方で指定されている場合は、両方の値が足し合わされる
(これが SunOS との違いである)。
options はコンマで区切られたオプションのリストで、
.BR mount (8)
コマンドに通常与えているものと同じである。
2 つの特殊なオプションがある。
.I -fstype=
はファイルシステムがデフォルトの
NFS タイプでない場合にファイルシステムタイプを指定するために使用される。
このオプションは mount コマンドではなく、オートマウントシステムで処理される。
.I -strict
はファイルシステムをマウントするときのエラーを
致命的なものとして扱うために使われる。
これは複数のファイルシステムがマウントされる
(`multimounts') 時に重要である。
このオプションが指定された場合、
ファイルシステムが 1 つでもマウントできない場合は、
全てのファイルシステムがマウントされない。
.SS location
location はどこからファイルシステムをマウントするかを指定する。
多くの場合、これは NFS ボリュームで通常は
.I host:pathname
という記法が使われ、
リモートファイルシステムとマウントされるパスを示す。
マウントされるファイルシステムが (ローカルの
.I /dev
エントリや smbfs 共有のように) / で始まる場合は、
: を前に付ける必要がある (例:
.IR :/dev/sda1 )。
.SH 例
.sp
.RS +.2i
.ta 1.0i 3.0i
.nf
kernel -ro,soft,intr ftp.kernel.org:/pub/linux
boot -fstype=ext2 :/dev/hda1
windoze -fstype=smbfs ://windoze/c
removable -fstype=ext2 :/dev/hdd
cd -fstype=iso9660,ro :/dev/hdc
floppy -fstype=auto :/dev/fd0
server -rw,hard,intr / -ro myserver.me.org:/ \\
/usr myserver.me.org:/usr \\
/home myserver.me.org:/home
.fi
.RE
.sp
1 行目では
.I ftp.kernel.org
にあるカーネルのディレクトリの NFS リモートマウントを指定している。
これは読み込み専用でマウントされる。
2 行目ではローカルの ide ドライブ上の ext2 ボリュームをマウントしている。
3 行目は Windows マシンで共有で公開されているドライブの
自動マウントを可能にしている。
残りは全く説明の必要がないだろう。
最後のエントリ (最後の 3 行) はマルチマップ (下記を参照) の例である。
(\fBvfat\fP のように) アクセス許可を持たないファイルシステムに対して
オートマウントシステムを使った場合は、
\fBroot\fP ユーザとしてマウントされるので、
(一般の) ユーザは通常はそのファイルシステムに書き込むことができない。
この問題は (\fIgid=floppy\fP のように)
オプション \fIgid=<gid>\fP を渡すことで解決できる。
そうすると、そのファイルシステムは \fBroot\fP ではなく
グループ \fBfloppy\fP でマウントされる。
そしてユーザをそのグループに追加することで、
ファイルシステムに書き込むことができる。
以下は autofs マップのエントリの例である:
.sp
.RS +.2i
.ta 1.0i 3.0i
.nf
floppy-vfat -fstype=vfat,sync,gid=floppy,umask=002 :/dev/fd0
.fi
.RE
.sp
.SH 機能
.SS マップのキーの置換
.B location
における & 文字は、その行にマッチする
.B key
フィールドの値に展開される
(これはワイルドカードキーと共に使った場合にのみ意味があるだろう)。
.SS ワイルドカードキー
間接マップの
.B key
フィールドにおける * は全てのキーにマッチする。
実用的な例としては、以下のエントリがある:
.sp
.RS +.2i
.ta 1.0i
.nf
* &:/home/&
.fi
.RE
.sp
これにより、パス
.RI / mountpoint / hostname / local-path
を使って、ローカルにあるホスト全ての home ディレクトリに
アクセスできるようになる。
.SS 変数の置換
オートマウントマップの key および location フィールドで、
シェルスクリプトでおなじみの $ を先頭に付けて
(フィールド名を区切るために中括弧 (curly brace) も使用可)
以下の特別な変数を使った場合、次のような値に置き換えられる:
.sp
.RS +.2i
.ta 1.5i
.nf
ARCH アーキテクチャ (uname -m)
CPU プロセッサタイプ
HOST ホスト名 (uname -n)
OSNAME オペレーティングシステム (uname -s)
OSREL OS のリリース (uname -r)
OSVERS OS のバージョン (uname -v)
.fi
.RE
.sp
.BR automount (8)
の -Dvariable=Value マップオプションを使って、
追加でエントリを定義することができる。
.SS 実行可能マップ
マップに実行可能のマークを付けることができる。
auto.master マップを解析する初期化スクリプトは、これを
.B program
マップとしてオートマウントシステムに渡す。
.B program
マップは key を引き数としたスクリプトとして呼び出される。
エラーが発生した場合、出力は 1 行も返されない。
成功した場合は、マップを含む 1 行以上が
(改行は \\ でクォートされて) 返される。
.P
.B program
マップを使うためには、
.BR automount (8)
デーモンは file タイプではなく program タイプとして
開始されていなければならない。
これは初期化スクリプトの中で実装されている。
.P
実行可能マップは、エラーの場合、
全く出力を行わないことに加えて失敗を表すエラーコードを返すことができる。
標準エラー出力へ送られる全ての出力は、システムログに記録される。
.SS マルチマウント
.B multi-mount
マップは複数のファイルシステムをマウントするのに使用される。
これは以下の形式である:
.sp
.RS +.2i
.ta 1.0i
.nf
.BI "key [" -options "] [mountpoint [" -options "] location...]..."
.fi
.RE
.sp
.P
改行を \`\\\' でクォートすれば、複数行に渡って書くこともできる。
このマップが存在する場合、デフォルトのマウントオプションに加えて、
マウントポイント毎のマウントオプションが追加される。
.SS レプリケートされたサーバ
.sp
.RS +.2i
.ta 1.5i
.nf
パスが同じ複数のレプリケートされたホスト:
<path> host1,host2,hostn:/path/path
あるものはパスが同じで、あるものはパスが異なる複数のホスト:
<path> host1,host2:/blah host3:/some/other/path
パスが異なる (可能性がある) 複数のレプリケートされたホスト:
<path> host1:/path/pathA host2:/path/pathB
重み付けが異なり、パスが同じレプリケートされたホスト:
<path> host1(5),host2(6),host3(1):/path/path
重み付けが異なり、異なる (可能性がある) パスのレプリケートされたホスト:
<path> host1(3):/path/pathA host2(5):/path/pathB
その他の書式は不自然でサポートされていないが、
変形したこれらの書式でも動作する:
<path> host1(3),host:/blah
.fi
.RE
.sp
.SH サポート範囲外
このバージョンのオートマウントシステムは FILE, NIS, LDAP マップに対する
直接マップのみをサポートしており、
SunOS 形式のレプリケートされたファイルシステムについては
.BR mount (8)
がサポートする範囲でのみ取り扱う。
.SH 警告
Sun の multi-mount 書式とは異なり、
全てのマウントにおいてマウントポイントは必須である。
.SH 関連項目
.BR automount (8),
.BR auto.master (5),
.BR autofs (8),
.BR mount (8).
.SH 著者
この man ページは Christoph Lameter <chris@waterf.org> によって
Debian GNU/Linux システムのために書かれた。
H. Peter Anvin <hpa@transmeta.com>, Jeremy Fitzhardinge <jeremy@goop.org>,
Ian Kent <raven@themaw.net> によって編集された。
|