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.\" Japanese Version Copyright (c) 1998, 1999 NAKANO Takeo all rights reserved.
.\" Translated Mon 23 Nov 1998 by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
.\" Updated Fri 22 Oct 1999 by NAKANO Takeo
.\" Updated Wed 11 Apr 2001 by Yuichi SATO <sato@complex.eng.hokudai.ac.jp>
.\"
.TH RPC.YPXFRD 8 "August 2001" "YP Server" "Reference Manual"
.SH 名前
rpc.ypxfrd \- NIS マップ転送サーバー
.SH 書式
\fB/usr/sbin/rpc.ypxfrd\fP [ \fB\-d path\fP ] [ \fB\-p port\fP ] [ \fB\-\-debug\fP ]
.br
\fB/usr/sbin/rpc.ypxfrd\fP \fB\-\-version\fP
.LP
.SH 説明
.LP
\fBrpc.ypxfrd\fP は非常に大きな NIS マップを NIS マスターから NIS スレーブサーバーに
転送する際に、転送を高速化するために用いられる。 NIS スレーブサーバーは、新しいマップがあるというメッセージを
受け取ると、そのマップを取得するために \fBypxfr\fP を起動する。 \fBypxfr\fP は yp_all()
関数を用いてマップの内容をマスターサーバーから 読み込もうとする。この情報はデーターベースライブラリを
通して保存されるため、マップのサイズが非常に大きくなると、 このプロセスは数分もかかってしまうことがある。
.LP
\fBrpc.ypxfrd\fP サーバーは、 NIS スレーブサーバーにマスターのマップファイルを
単純にコピーさせ、転送プロセスを高速化する。スレーブサーバーが ゼロからマップを生成するのに比べ、これはずっと短時間ですむ。 \fBrpc.ypxfrd\fP
は RPC ベースの転送プロトコルを用いるので、新しいマップを 生成する必要はなくなる。
\fBrpc.ypxfrd\fP は inetd から起動することもできるが、起動には時間がかかるので、 \fBypserv\fP の後に
/etc/init.d/ypxfrd から起動するのが良い。
.SH オプション
.TP
\fB\-\-debug\fP
サーバーをデバッグモードで起動する。 デバッグモードでは、サーバーはバックグラウンドへ待避せず、 アクセス要求を受けるたびに細かなステータスメッセージを
標準エラー出力に表示する。
.TP
\fB\-d\fP\fI directory\fP
/var/yp の代わりに \fBrpc.ypxfrd\fP が用いるディレクトリを指定する。
.TP
\fB\-p\fP\fI port\fP
\fBrpc.ypxfrd\fP がバインドするポート番号を指定する。このオプションを用いると、 ルータに NIS ポートへのパケットをフィルタリングさせ、
インターネットからの NIS サーバーへのアクセスを制限できる。
.TP
\fB\-\-version\fP
バージョン番号を表示する。
.SH セキュリティ
\fBrpc.ypxfrd\fP はホストのチェックに \fBypserv\fP と同じ機能を用いる。まず \fBrpc.ypxfrd\fP は要求元のアドレスを
\fB/var/yp/securenets\fP または tcp wrapper でチェックする。ホストのサーバーへの接続が 許されている場合には、
\fBrpc.ypxfrd\fP は \fB/etc/ypserv.conf\fP から要求されたマップのルールをチェックする。マップの名前が
ルールにマッチしない場合には、 \fBrpc.ypxfrd\fP はそのマップの YP_SECURE キーを調べる。キーが存在していると、
\fBrpc.ypxfrd\fP は特権ポートからの要求だけを許可する。
.SH ファイル
/etc/ypserv.conf /var/yp/securenets
.SH 関連項目
\fBypserv\fP(8), \fBmakedbm\fP(8), \fByppush\fP(8), \fBypxfr\fP(8)
.LP
.SH バグ
FreeBSD の \fBypxfrd\fP プロトコルは SunOS のものとは互換性がない。これは残念なことではあるが、 不可避なものであった。 Sun
のプロトコルはフリーに入手できるものでは なかったし、仮に入手ができたとしても有用なものにはなりえなかったろう。 後者の理由は、 SunOS NIS
v2 の実装がマップのデーターベースにオリジナルの ndbm パッケージを用いているのに対し、他の実装では GNU DBM や Berkeley DB
を用いているからである。これらのパッケージはまったく異なったファイル フォーマットを用いている上、 ndbm と gdbm ではバイトオーダーンの違いを
賢く扱うことができない。したがって big endian なシステムで生成された gdbm や ndbm のデーターベースは、 little
endian なシステムでは読むことが できないのである。 FreeBSD の \fBypxfrd\fP
プロトコルは、マスターとスレーブの両方が同じデーターベースパッケージを 使っているかどうかを、また必要に応じて、両システムでのバイトオーダーが等しいか
どうかをチェックする。
.LP
.SH 作者
ypxfrd プロトコルと FreeBSD への実装: Bill Paul <wpaul@ctr.columbia.edu>
.br
Linux への実装: Thorsten Kukuk <kukuk@suse.de>
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